金沢遠望

2007年09月09日



純粋映画ファン集まれ!「カナザワ映画祭2007」

●「カナザワ映画祭2007」という映画イベントが9月15日(土)から始まります。主催は、かなざわ映画の会。

かなざわ映画の会

●かなざわ映画の会は… サイトにもブログにもプロフィールがないので私にはよくわからないのですが、映画好きの金沢人の集まりであることは間違いありません。

かなざわ映画の会blog

●カナザワ映画祭2007の副題は、青いオトコまつり。一瞬、何だか不気味な感じもしないでもないタイトルですが、「青い」は「青春」ってことですよね。だから、「青いオトコ」とは超人ハルクのことではなく(ハルクは緑色だ)、「青春真っ只中の男たち」という意味でしょう。

●今回上映される映画は、そんなタイトル通り、若い男性のコアな映画ファンに受けそうな男っぽいものばかりですが、これはたまたまテーマがそうだったからで、他の分野の映画についても同じように、強い思いをもっている人たちだろうと思います。

●ただ、見たい映画は劇場かテレビで見るエンターテイメント系だけという方からすると、今回の上映メニューはまったく理解できない世界かも。ですが、時には真面目に青春と人生を考えてみるのも悪くはありません。

●人間の矛盾、正義、暴力、オトコの哲学、そして真実…。今回の一連の映画は現在の日本映画興隆の原点ともいえる映画ではないでしょうか。そんなオトコワールドに触れてみたくなった方は、ぜひ会場へ。


カナザワ映画祭2007
主催:かなざわ映画の会
共催:金沢21世紀美術館、金沢中心商店街まちづくり協議会
協力:KOHRINBO109、片町商店街振興組合
後援:石川県興業生活衛生同業組合、北國新聞社
支援:文化庁 金沢市
上映スケジュール:金沢21世紀美術館「シアター21」、シネモンド、駅前シネマ、野外上映(金沢城いもり堀園地)

見どころ
○映画祭オープニング 能登半島復興プロジェクト
○鈴木則文特集 則文祭り
○内田裕也特集 YUYA ROCKS CINEMA!
○石井聰亙特集 やってやろーじゃねぇよ!
○駅前シネマ・オールナイト
○映画祭クロージング


<追加ニュース>

●カナザワ映画祭2007のおかげで、看板絵師の懐かしの映画看板が見れることになりました。昨年10月に看板絵師の仕事を引退された東さんが「かなざわ映画の会」からのたっての依頼を受け、再度絵筆をとられたそうです。

●掲示されるのは、9月6日から金沢市片町にて。14日以降は、映画祭会場の金沢21世紀美術館で展示。
金沢で娯楽映画復興へ、看板絵師が復活!
(北陸朝日放送 2007年9月5日)
去年、引退した元映画看板絵師の東貞昭さんが再びはけを握りました。描いたのは今月14日に開幕するカナザワ映画祭をPRする看板です。東さんは金沢市出身の71歳。金沢で50年以上に渡りおよそ5万点の映画看板を制作、去年の10月に看板絵師の仕事を引退しました。ところが(後略)




2007年09月04日



金沢蓄音器館の蓄音器が現代音楽コンサートに“出演"

蓄音器が現代オペラ“出演” 金沢の名器 貸し出し
(中日新聞 2007年9月1日)
6日、東京 新装サントリーホール
九月六日に東京・赤坂のサントリーホールで開かれる現代音楽のコンサートに、金沢市の金沢蓄音器館が所蔵する百年前に作られた蓄音器が貸し出されることになった。クラシックの名ホールへの“出演”を、関係者は楽しみにしている。
(中略)貸し出される蓄音器は、一九〇三年から十一年にかけて米国のビクター社で作られた「V−3号」「V−5号」の二台。朝顔型の金属製ラッパが付いた3号、口径が約五十センチと一回り大きい5号とも状態が良いことなどから声が掛かった。(後略)

●アメリカ実験音楽の作曲家ジョン・ケージの「ユーロペラ5」という作品です。私はジョン・ケージの作品は聴いたことはありませんが、昔、高校時代の友人が「非常に突飛で難解だ」ということを言っていたのを思い出しました。

●それはともかく、金沢蓄音器館の秘蔵の蓄音機がサントリーホールの現代音楽のコンサートに“出演する”というのは、面白いですね。蓄音器は「オペラ『フィガロの結婚』『椿姫』などのアリアのどれかを演奏する」そうです。

●上の記事に実物の写真が載ってますが、ビクター犬でおなじみのラッパ型拡声器が懐かしいですよ。私の時代ではありませんでしたが…

●アナログのシンボル・蓄音機とコンピュータ制御の現代音楽の組み合わせ。いかにも人を驚かすことが好きなケージ先生の作品らしいです。どんなコンサートになるのでしょうか、どこかで聴く機会はないでしょうかね。

タンゴの巨匠・ピアソラ直筆の楽譜などを展示、金沢蓄音器館 - 金沢遠望(070709)




2007年09月02日



金沢では旧町名の復活が進んでいます

●昨年3月に、旧町名復活の動きについて書きました。

旧町名復活の第8番目、「袋町」が来年春に再登場! - 金沢遠望

●この記事にある、主計町(かずえまち)、下石引町(しもいしびきまち)、飛梅町(とびうめちょう)、木倉町(きぐらまち)、柿木畠(かきのきばたけ)、六枚町(ろくまいまち)、並木町(なみきまち)、袋町(ふくろまち)の中で、ようやく8番目の袋町が今年3月1日に復活しています。
金沢で8例目 37年ぶり「袋町」復活
(北国新聞 3月1日)
金沢市の旧町名「袋町」が一日、三十七年ぶりに尾張町二丁目と安江町の一角で復活した。二〇〇五(平成十七)年十月の「並木町」に続いて市内八例目となった。電柱の表示が変わり、商店には早速、袋町の文字や由来が書かれた「日よけのれん」が掲げられた。袋町の中央部に、「旧北国街道」の標柱も立てられた。(後略)

●その後、復活した旧町名の町では住民の意識が高まり、町全体として活性化したという記事を見つけました。
金沢復古 旧町名に変更 にぎわい創出
(中日新聞 2007年8月15日)
市支援 観光や町会が活性化
藩政期などに由来する旧町名が復活した金沢市の八つの地域で、住民同士のつながりが強まり、観光客、来店客も増えるなど地域が活性化していることが市などの調べで分かった。“昔”の町名に変更したのは、いずれも一九九九年から今年にかけて。旧町名の復活は全国的にも珍しいが市は、まちづくりやコミュニティーのよりどころとして引き続き支援を行う。(後略)

●そして、次はいよいよ大本命?ともいえる「南町」の復活に向けた動きが始まりました。
金沢に「南町」復活を ≡地元の代表が市長に申出書≡
(asahi.com 2007年08月24日)
金沢市高岡町や香林坊などの一部に戦国末期ゆかりの町名「南町」を復活させたいと、地元町会代表者らが23日、市役所を訪れ、山出保市長に申出書を提出した。実現すれば、3月1日の袋町に続く市内9番目の旧町名復活となる。地元では、市議会の議決や周知期間を経て、来秋の復活を目指している。(後略)


●南町は、南町交差点から香林坊2丁目交差点までの間の大通りを挟んだ両側一帯で、尾山神社がその真ん中あたりに位置し、現在は尾山町と高岡町に分かれています。

●南町の町名は1966年頃になくなったそうです。私は子ども時代、香林坊(正確には高岡町でしたが)の住人でしたから、隣町の南町という名前はしょっちゅう耳や口にしてました。

●このあたりは金沢市内でもっとも古くから栄えていた地区だそうです。往時は、書物商、小間物商、塗師(ぬし)・筆師などの職人などの商店や上方の商人宿などがあり、交易や交流の中核として活気に満ちていたとか。

●現在は香林坊の一部のようなイメージになっていますが、もともと南町のほうが金沢の中心だったんですね。やはり尾山神社のおかげなのでしょう。

●国・県・市と、最近いろんなところで頭の硬いお役所仕事が批判されていますが、お役所も反省することがあることに、すこし驚きました。間違ったと思ったら素直に誤って訂正するのは、一般社会では当たり前のことですけどね。

●理由はともかく、1950〜60年代に消えてしまった歴史ある旧町名が次々に復活してくるのは、非常に嬉しいことです。

●私の小学校はドーナツ化現象(これも死語です)のためなくなってしまいましたが、やはりいつも寂しい思いがしています。

●壊してしまった建物は復活できませんが、町名の復活なら簡単ですよね。そうはいっても国や県や関連部署との調整が必要なので…とおっしゃる人がいると思いますが、調整して実現できることなら調整すればいいだけのことですから。

●それよりも、これからは遺跡だけでなく、町名や建物、古い樹木など、歴史と生活と文化のあるものは安易に取り壊したり変更しないほうがいいですね。

posted by kenbo | 石川 ☁ | Comment(2) | TrackBack(0) | TOPICS | 金沢遠望 TOPへ