●ふだん、マイカーで帰省しているので、ついつい「駅弁」に対する意識が薄かったのですが、最近は「利家御膳」「おまつ御膳」が名物になりつつあるようです。
が…
知名度いまいち、味はぴかいち 金沢の駅弁
(北國新聞社 12月13日)
職場で遅い夕飯にコンビニ弁当をかき込んでいると、デスクから声が掛かった。「弁当といえば金沢って名物駅弁がないな」。確かに富山は「ますのすし」、福井は「越前かにめし」が有名。金沢で全国区の駅弁は思い浮かばない。2014年度(平成26年度)の北陸新幹線開通を控え、何となく気になる。金沢の駅弁事情を探ってみた。(後略)
●そうなんだ、金沢駅では、開設以来、100年以上の長きにわたって名物弁当がなかったんだ! という、悲しい現実を再発見。
●記事によると、大友楼は1898年(明治31年)4月1日の金沢駅開業と同時に「汽車弁当」の販売を始めたそうです。
豊かな食に恵まれた金沢では「○○弁当」という単純な駅弁はできないのか(記者)。
大友楼・大友社長の言葉「金沢の駅弁を名物化する必要はありません。土地の味をストレートに伝える弁当を作ればいいんです」。
※大友楼は天保元年(1830年)創業、加賀・前田藩の御膳所を務めていた老舗料理店
●上記記事の記者は「派手さを求めず、控えめに本物の味で勝負するあたり、金沢人ならではの発想と言えようか」と言っておられます。
●そうなんでしょうか。私には、ネーミングも籠を模した容器デザインも、非常にわかりやすくて豪華でハデに見えるのですが…
●実際は、2002年のNHK大河ドラマ「利家とまつ」にちなんで作られたもので、発売してまだ6年ほどしかたってない(から知られていない)から売れていない、というのが実態のような気がしてなりません。( 奥ゆかしいのが美徳、典型的な金沢商法 -> これからはもっと積極的にスマートにやっていけばよいのでは?と私は思います)
※富山「ますのすし」、福井「越前かにめし」は数十年の歴史がありますね 。
●そういえば、冬の味覚の“超”名物「カニ」についても、これまでは一般的な「ズワイ」といってきたのを数年前から「加能ガニ」と新たに名づけて宣伝を始めていますが、やはり無理やりつけられたせいでしょうか、まだまだ普及しているとはいえません。金沢人は商売がヘタ!
※加能ガニ(金沢産ズワイガニ)
●でも、当たり前田の利家公!で、そんな歴史や知名度なんて、本物のカニや弁当のおいしさとはまったく関係ありませんね。
●利家御膳
製造元は金沢の老舗料理店「大友楼」…「地味でいい。おいしければ」金沢人の心意気
前田家の宴席献立の文献を基にして、現代の食材や調理法で再現した弁当
加賀野菜も使われている栄養バランスにすぐれた健康弁当
<ご飯>
ひょうたん型に盛り付けられた白ご飯と、梅型に盛り付けられた茶飯の2種類
<おかず>
金沢の郷土料理 治部煮(じぶに)…鶏肉や鴨肉を季節の野菜やすだれ麩と煮合わせて小麦粉でとろみをつけた料理、加賀藩時代からの歴史のある料理
レンコンの肉詰揚げ、棒についたかまぼこ、うなぎの蒲焼、イカの酢の物、玉子焼き、昆布の煮しめ、生姜など
<容器>
大名籠のデザイン 下段がご飯、上段がおかず、担ぎ棒のところが箸入れ
*写真
今月の特選駅弁:るるぶ.com「利家御膳」
利家御膳、おまつ御膳・金沢駅弁[駅弁の小窓]
北陸地方の駅弁−4「JR金沢駅−利家御膳 株式会社 大友楼」
*姉妹品「おまつ御膳」
●治部煮は、金沢では有名な「大友楼」自慢の料理で、今日では金沢グルメとして広く知られている名物料理です。それがわずか1,000円で楽しめるのですから、これは非常にお値打ち!
●季節的には今が本番の料理ですが、駅弁では年中販売されているようです。ちょっと覚えておいてくださいね。