岩城宏之さん死去 6月13日 金沢遠望

2006年06月14日



岩城宏之さん死去 6月13日

●悲しいニュースです。昨日午前0時20分、オーケストラ・アンサンブル金沢の設立者の一人で音楽監督でもある指揮者の岩城宏之さんが心不全でお亡くなりになりました。享年73歳。早すきます。残念です。
○岩城宏之さんの現職
オーケストラ・アンサンブル金沢公式サイトより
オーケストラ・アンサンブル金沢音楽監督のほか、N響終身正指揮者、メルボルン交響楽団終身桂冠指揮者、札幌交響楽団終身桂冠指揮者、京都市交響楽団首席客演指揮者、東京混声合唱団音楽監督、石川県立音楽堂芸術総監督を兼ねている。
○亡くなられる直前のご様子
ZAKZAK(指揮者の岩城宏之さん「重度の貧血」で緊急入院)

●私が岩城さんを知ったのは金沢にいた中・高生時代、NHK交響楽団の指揮者として、NHK総合テレビ、日曜日の夜の「N響アワー」(たしか9時台か10時台だったと思います)という番組を通してでした。(同番組は、現在もNHK教育テレビで続いています)

●当時(昭和30年代〜40年代)、金沢で生のオーケストラに接する機会はなく、NHKテレビとFMラジオが、私にとっての音楽の公的な情報源のすべてでした。とりわけ、目の前で指揮者や楽団員の演奏姿を見られる「N響アワー」は、貴重な生演奏(もちろん、ほとんど録画でしたが)に接する機会だったのです。その番組の中で、まるでベートーベンのような顔つき&ヘアスタイル(私にはそう見えました)と、たいへん小柄な体格とそれに反したパワフルな指揮をされる岩城さんに、ついつい目と耳をひきつけられていたことを覚えています。

●私がクラシック音楽に興味をもったのは、中学時代にブラスバンド部でトランペットを吹き、高校時代にクラシックギターを始めていたせいもあります。しかし、一番影響が大きかったのは、高校時代の親友たちの中で2人もクラシック音楽ファンがいて、時々、彼らといっしょに音楽について語り合っていたからでした。

●私はレコードを買えませんでしたが、彼らのうちの一人が、当時の高校生としてはけっこうコレクションをもっており、それを聴かせてもらうために小立野にある彼の家まで、しょっちゅう遊びに行っていました。残念ながら、当時の彼のコレクションは海外の有名な指揮者のものばかりで、岩城さんのレコードはなかったのですが、もちろん会話の中には登場していました。
(※そういえば、彼の家の近くに五木寛之さんの奥さんの実家の医院があることを、彼から教えてもらったことを思い出しました)

●岩城さんは、当ブログを始めた頃に一度記事にさせていただいたことがありましたが(金沢の人)、私がご紹介するまでもなく、世界的にも知名度、影響力のある素晴らしい音楽家でした。まさに音楽に命を捧げた人生で、亡くなる瞬間まで音楽のことしか頭になかった方ではないかと想像されます。

●いま、 Wikipediaの記事で見ていた年譜で、遅まきながら、岩城さんと金沢の縁をはじめて気づきました。東京生まれの岩城さんは昭和20年(1945年)の東京空襲で被害に遭い、金沢に転居(疎開)されたことがあったとのこと(その後、岐阜県瑞浪市土岐町へ転居)。疎開先がなぜ金沢だったのかまではわかりませんが、「なぜオーケストラ・アンサンブル金沢の指揮者になられたのだろう?」という長年の疑問がやっと解けました。岩城さんは13歳のときに金沢で終戦を迎え、2年間近く(人生でもっとも多感な中学時代)金沢で暮らしておられたんですね。納得できました。

●何年も前から病気治療中のニュースは聞いていました。病気の始まりは昭和62年(1987年)に罹った、指揮者の職業病ともいわれる「頸椎後縦靭帯骨化症(むち打ち症)」でした。あのエネルギッシュな指揮のスタイルが、病気の元になったんですね。体に悪いということを知りながらも休まず指揮を続けられていたことが新たな感動を呼んでいましたが、結果的には寿命を縮められることにつながったのではないかと、悔やまれます。

●満身創痍のお体で音楽に打ち込んでおられる姿は痛々しく見えました。しかし、そのエネルギッシュな活動が新しい多くの音楽ファンをつくり、また古くからのファンには明るい希望を与え続けていたのも事実です。

●素晴らしい音楽の世界をプレゼントしていただき心より感謝いたします。また、同じ時代に生きてこれたことを誇りに思います。ご冥福をお祈りいたします。

●インターネットで見ることが出来る、岩城宏之さんの足跡の一部です。

岩城宏之オフィシャルサイト-iwakihiroyuki.com-

オーケストラ・アンサンブル金沢

岩城宏之 - Wikipedia

報道STATION -特集-『岩城宏之73歳の挑戦 ベートーベン9曲連続指揮』

岩城宏之氏インタビュー(東京文化会館)

Daily NEWS: 【訃報】岩城宏之/指揮者

Matome検索 岩城宏之の新着Blog検索結果

自在コラム:★岩城宏之氏の「運命の輪」

JIROの独断的日記

[6/15追記]
岩城さん、東海に大きな足跡 名フィルの礎築く
(中日新聞)

OEK創設、岩城宏之さん死去
(asahi.com-マイタウン石川 2006年06月14日)
岩城宏之さんの経歴や最近の様子が一番要領よくまとめて書かれています

[6/18追記]
岩城宏之氏・佐藤功太郎氏逝く Tany&wife's blog from 新浦安

[6/24追記]
てつりう美術随想録:指揮者の引き際 ― 岩城宏之を偲ぶ

追悼・岩城宏之 タクトを超えた音楽人。(作曲家・ピアニスト、一柳慧=いちやなぎ・とし)




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この記事へのコメント
はじめまして。「JIROの独断的日記」を書いているJIROです。
貴ブログで御紹介頂きありがとうございます。

岩城さん、残念でなりません。私は40代の東京の者ですので、

30余年前から聞いている、「N響」の岩城さん、のイメージが先行するのですが、
オーケストラ・アンサンブル金沢が出来たときには、本当に羨ましく思いました。

訃報に接し、駄文ではありますが、岩城さんのことを書いております。
http://jiro-dokudan.cocolog-nifty.com/jiro/2006/06/post_8b74.html


よろしければ、ご高覧賜れば、忝なく存じます。
簡単ですが、ご挨拶まで。
Posted by JIRO at 2006年06月16日 21:19
●コメント&TB、ありがとうございました。さっそくブログを拝見させていただきました。

●岩城さんをはじめ、クラシックの音楽家についてめちゃくちゃお詳しいですね。ともに岩城さんのご冥福をお祈りしたいと思います。
Posted by kenbo at 2006年06月16日 22:12
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