
これは5年前、現地で撮影した“子ども”ぐずです
○『怪魚』町を練る 加賀で『ぐず焼まつり』開幕
北陸中日新聞
●加賀市動橋町は加賀平野の田園地帯の一画で、日中はあまり人通りのない、当町に住む方にはたいへん申し訳ない表現ですが、ほんとに小さな町です。しかし、一年で一瞬だけ、とてつもなく光輝く瞬間があり、それが「ぐず焼き祭り」でした。
※加賀市は加賀温泉郷のある町です!金沢西インターから小松・福井方面へ車で約30分。
○加賀市
○KAGA旅・まちネット
●祭りの歴史とか由縁とかについて詳しいことは妹から聞いたことしか知らないのですが、毎年8月下旬、たぶん27日から3日間ですが、同町で行われる「ぐず焼き祭り」は、“町民総出の一大フェステバル”です。この祭りために、町の若者たちは1年がかりで準備をしているような感じのことを聞きました。町の文化財として、数年前には海外公演?も敢行されたとか。
●「ぐず」とは伝説上の巨大魚ですが、祭りで使われる「ぐず」は紙や布でつくられた張りぼての神輿(みこし)です。「ぐず」は「田畑を荒らして人々を苦しめた怪魚」なので、最後に燃やされるのです。※実際のぐずは、とても愛嬌のある風貌で、怪魚というより、子どものおもちゃにちかい雰囲気でした。
●たまたま数年前に妹の実家に立ち寄った日が、まさに「日本のふるさと」を実感した瞬間でした。私は「金沢市の中心街で生まれ、育っているので、“本当のいなか”に実家のある人がうらやましい」といったようなことを何度か書いていますが、「日本のふるさと」を実感したことはこれまであまりありませんでした。
●その日は午後3時過ぎに私の両親とともに妹の家を訪問したのですが、そこでは遠くにいる親戚一同が集まってきており、お祭り気分一色でした。「ぐず」がどんなものか、話は聞くのですが、その場ではまだ実感がわきませんでした。
●しかし、夕方から夜にかけて「ぐず」が町内を練り歩く頃になると、雰囲気は一変しました。狭い通りを、大小さまざまな張りぼての「ぐず」が、あちらこちらから威勢の良い喊声とお囃子の音とともに集結してきたのです。そして、最後には、小学校のグランドで、ぐずどうしが覇権を争ってぶつかりあう戦闘が繰り広げられました。これはほんとに圧巻でした。まさに、ふるさとの祭り、でした。

上に男衆が乗った戦闘ぐずは、最後は激しいぶつかり合い戦に…
●思いがけない興奮のひとときでした。金沢の百万石まつりでは“静かな興奮”がありますが、ぐず祭りは“動”の興奮です、まさに、祭りらしい祭りです。金沢人も、一度は見てほしい感じがしました。来年はもう一度、なんとか見たいものです。
●私にとって「ぐず」は、まさに「(私のように)ぐずぐずしている現代人」そのものでした。ぐずぐずしていると、最後には焼け殺されてしまうぞ、という勝手な教訓を感じてしまいました。

