●先週から降り続いている豪雨のために、北陸地方も全域で警戒警報が出ていることと思います。
●うちの親戚が加賀市に住んでいることもあり、昨年に続き、大雨が気になります。今回はとくに加賀地方南部がひどかったようで、温泉地で知られる片山津の被害が大きくニュースで取り上げられていました。他の周辺地域でもはたいへんなのではないでしょうか。被害にあわれた皆様には心よりお見舞い申し上げます。
●梅雨だけの話ではなく、異常気象が年々ひどくなっているような気がします。北極や南極の氷が溶け出したとか、北欧やロシアの氷河が溶け出したとか、海流の流れが地球的規模で大きく変動しているとか、日本が亜熱帯地方の気候になってきているとか… これらの共通の原因はただ一つ、地球の温暖化ですね。
●もう30年以上前、新入社員研修のときの講師が、狭い池の中に住むカエルの話をしてくれました。空(池の表面)を覆う水草の量が毎日2倍ずつ増えていくとすると、カエルが「これはやばい(全部覆われると窒息死してしまう)」と危機感をもつのはいつか? というクイズでした。
●そして、池の直径は5メートル、池に住むカエルは8匹… といった条件をいくつか出されました。
●新入社員たちは条件を元にいろいろ計算式を立てて必死に考えましたが、残念ながら制限時間15分の中で正しい答えを出せた者はいませんでした。
●最後に、講師が正解をいいました。カエルが危機感をもつのは「池が覆いつくされる前日です」。
!!!!!
●この言葉に、私たちは全員、大きなショックを受けました。もちろん正解が解けなかったことへのショックではありません。
私たちがショックを受けたのは、「カエルが気づいたときにはもう手遅れだ」という点です。有象無象の条件にとらわれ、すべては科学(計算式)で解けると思った浅はかさを思い知らされました。
●何年も後で、この命題は環境問題を考える上での有名な寓話であることを知りました。現在はご存知の方も多いのではないでしょうか。
●それはともかく、この話が教えてくれたのは、地球環境を考え、本気で対策を実施するのは、空がほんの一部でも覆われる前でないと意味がない、ということです。「少しかげってきたかな」では遅いんですね。つまり、対策は「今すぐ」「真剣に」やらないと手遅れになる、ということです。地球が覆い尽くされることに多くの人が気づくのは、全滅の、たった1日前なんですから…。
●この話を聞いたのは30年以上前です。しかし、その後、掛け声ばかりで、実質的な環境対策が進んでいるとは、まったく見えないのですが…
●確かに車の排気ガスはかなりクリーンになりました。工場の排煙や産業廃棄物の放置も禁止されました。
しかし、その一方で、世界のあちらこちらの戦争や兵器の実験で大きな熱エネルギーを空気中にばら撒いています、原発の稼動で得た電気エネルギーをひたすら都市のヒートアイランド化に使っています、焼畑農業やダムの建設で森林伐採が止まりません…
これらのプラス(改善)・マイナス(悪化)を差し引きしてみると、はるかにマイナスに向かっているような気がするのは、私だけでしょうか。
●これでは集中豪雨も異常気象も治まるワケがありません。豪雨の次にやってくるのは、農産物や漁獲量の大変化かも…
●こわいですねえ。日本沈没どころではありません。日本以外全部沈没なんて、おちょくってもおれません。いったい、どうすればいいんでしょう。
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