●モノは知ってても名前を知らないってこと、よくありますね。とくに、流行の最先端ものとか、それとは逆に、昔から目の前にあって当たり前すぎてだれも気にしてないものなど。私にとって、繭玉(まゆだま)もそのひとつでした。
●でも、これは金沢独自のものではないようです。日本全国どこの地方にもある縁起物で、写真を見れば、なんだ、これか、の世界ですね。
1年の安全 4色の願い 繭玉作り金沢でピーク
(中日新聞)
●私はきょう初めてこの記事で、その名前を知り(認識し)ました。繭玉というのは、たぶん「見た目や手触りが繭のようで、形が丸いから」そう名づけられたのだと思いますが、実際は最中(もなか)の皮でできてたんです。
●最中の皮というと…ソフトクリームの器もそうですよね。あと、これは金沢独自の名物ですが、お吸い物に入れる「麩」(何種類かの麩が最中の皮に包まれているもの)にも使われていますね。これは見るからに最中の皮です。
●では、この最中の皮は何からつくられているのでしょう?
●もちろん、知りませんでした。さっそくネットで調べたら…それはなんと、「もち米」でした。
本来、もなかの皮はもち米から作るものです。
(和菓子・洋菓子・桜川謡曲もなかの一真堂)
●ついでに、ふだん私たちが食べているお米は「粳米(うるち米)」と呼ばれていることも知りました。「うるち米」という言葉はどこかで聞いたことがあるな、という程度には知っていたのですが、なんだ、毎日食べているご飯のお米のことだったんですね。これも初めて認識しました。
お米の生産と加工−稲の種類 もち米とうるち米
もち米について
(松本米穀精麦株式会社)
●こんなことは、米どころ・加賀地方に住む人にとっては当たり前中の当たり前のことでしょうけど、都会育ち?の私は、まったく恥ずかしいことに、この歳になるまで知りませんでした。
●「もち米」と「うるち米」の実際の物質的な違いは、もちろん、いつも食べているから実体としては十分にわかっているつもりなのですが、その呼び名や意味についてはまったく意識していなかったということです。
●これは私だけのことでしょうけど。まさに「世間の常識は私の非常識」を地でいってます。
●話がどんどん外れていきますが、繭玉の繭というのはもちろん蚕(かいこ)のことで、ひらたくいえば蛾の幼虫です。はっきりいって、美しいとはいえない(おどろおどろしい)幼虫から美しい絹糸が作られ、あるいは食品(タンパク質)が作られるというのも不思議です。
カイコの一生 カイコの繭づくり・営繭(えいけん)
※迫力がありすぎてちょっとショッキングな写真
トランスジェニックカイコを用いた組換えタンパク質の受託生産
(株式会社ネオシルク)
●繭〜最中の皮〜もち米
繭〜絹〜タンパク質
●私の勝手なこじつけ論ですが、繭にはこんな2つの系譜(流れ、因縁、関連付け)があることがわかりました。繭は人間の生命維持にとって重要なものなんですね。正月のお飾りに使われているのは、ひょっとして、そんな大きな意味が隠されているのかも知れません。
●それにしても名前も色も形も可愛いい繭玉。まさに、お正月にふさわしい縁起物です。