●今年の9月、福岡・博多港と北海道・室蘭港を結ぶカーフェリー2便が金沢港に立ち寄ることが決まったそうです。江戸時代に始まった日本の基幹航路で、明治に入って全国に鉄道網が整備されるまでわが国の海運事業の中核を担ってきた「北前船(きたまえぶね)」の再現になるとか。
●明治以降つい最近まで、わが国は経済効率アップを最優先に掲げ、運輸行政は鉄道、航空機のスピードアップ一本やりで走ってきました。しかし、バブル崩壊で右肩上がりの成長は一時ストップ。その後、長期にわたるデフレ経済に陥っていたのですが、ここにきてふたたび大企業を中心にした景気拡大へと経済の流れが変わりつつあります。
●一方、数年前から精神的・経済的にゆとりのある恵まれた階層の人たち(私見)のあいだで、環境保護の意識と健康志向が一つになった「ロハス」という言葉が広がっています。
「ロハス」って何? (AllAbout)
これからのシンプルライフを語る重要なキーワード「ロハス」とはアメリカ生まれの造語で、Lifestyle of health and sustainability という英語の略。「健康と持続可能な社会に配慮したライフスタイル」といったところで、1998年のアメリカでの研究から導き出されたライフスタイルのモデルが元になっています。日本には2002年に紹介され、使われ始めたようです。
ロハスなライフスタイルとは、「安ければいい」「効率がよければいい」という従来型の選択基準とは異なり、「それは自分や他人のカラダに悪い影響を与えないものか?」「それは地球環境にとってマイナスにならないものか?」をまず考え、それによって消費や行動を選択していくものです。
●この「北前船」に対する私の第一印象は、「日本経済の復興とロハスなライフスタイルの合体」というイメージでした。
●これからの「長期バカンスは、移動が楽なマイカーを使い、ゆっくりとフェリーで旅をする」のが、“ちょっぴり”リッチな人たちの旅のスタイルになるのですね。(urayamashii…)
平成の「北前船」就航 博多−金沢−室蘭結ぶ 9月にまずカーフェリー2便
(北國新聞 2006年6月14日)
かつて日本海を行き来した「北前船」がよみがえる。福岡・博多港と北海道・室蘭港を結ぶカーフェリー二便が九月、初めて金沢に寄港することが十三日決まった。県や金沢市、金沢港振興協会などの就航要請に対し、船会社側は、豪華客船での船旅が人気を集める中、観光客の利用が見込めると判断した。県は、フェリーの就航が交流人口の拡大や物流促進につながることから、将来の定期便実現を働き掛ける。
フェリーを運航するのは海運会社のリベラ(広島県呉市)。同社は博多―直江津(新潟)―室蘭便を週三便運航しており、博多から境港(鳥取)、金沢港を経由し、室蘭に向かうコースを試験的に設定する。九月一日夜に室蘭港発博多港行き、博多港発室蘭港行きの二便が同時に運航し、金沢港戸水埠頭には三日未明、三日午後にそれぞれ寄港する計画である。(後略)
北前船(きたまえぶね) - Wikipedia
北前船とは、江戸時代から明治時代にかけて、大阪から瀬戸内海、関門海峡を経て、北陸などの日本海側の諸港を結び、後には北海道にまで延長された航路及びその船のことである。
例年70,000石以上の米を大阪で換金していた加賀藩が寛永16年(1639年)に、この航路で100石の米を大阪へ送る事に成功。一方幕府も寛文12年(1672年)出羽国の米を河村瑞賢に大阪への回漕させたのが、この航路の起こりとされる。
江戸時代の和船では、通常は年に一航海で、二航海できる事は稀であった。しかし明治時代にスクーナ (w:en:Schooner) などの西洋式帆船が登場すると、年に三航海から四航海が可能となった。しかし明治維新による封建制の崩壊は、相場の地域的な格差を無くし、一攫千金的な甘味が無くなり、全国に鉄道が敷設され、北前船は役目をほぼ終えることになった。