●“伝統的な夏の味覚”だなんて私はまったく知らなかったのですが、石川県では、夏の焼き魚に「色付(いろづ)け」をするという風習があるようです。
●ブリの照り焼きの「照り」には醤油や日本酒が使われますが、それに似た感じなのでしょうか。役割としては、ほぼ「照り」と同じようなことだと思います。
●しかし、これはどんな色なんでしょうね、まさか真っ赤や真っ青はないでしょうけど(当たり前!)。北國新聞のサイトの記事には写真が載ってなかったのでわかりませんでしたが、しょうゆやみりん、あめを使うと書いてあるので、実際には「薄い照り」といった感じではないかと想像します。なかなか上品そうですね。
●作る人のほんのちょっとした心配りやこだわりが、料理の味を引き立ててくれます。今回の場合は、持ちをよくする(食中毒を防ぐ)、面倒な調理をしなくてもいい(レンジでチンだけ)といった役目があるわけで、やはりこれも、金沢ならではの心づかいといえるかも。
●これから夏の金沢で焼き魚を食べるときは、気をつけて「色」を見てください!
石川の味「色付け」人気 金沢の鮮魚店、「手間いらず」OLらにうける
(北國新聞社 2006年7月15日)
竹串に刺して焼いた白身魚やイカなどに、甘口のたれをからめた石川の伝統的な夏の味覚「色付(いろづ)け」の人気がじわりと広がり、金沢市内の焼き魚店や鮮魚店で好調な売れ行きをみせている。
生ものが傷みやすい夏でもおいしく魚を食べようとする先人の知恵から生まれた色付け。現代の人気の秘密は調理いらずの手軽さにあるようで、OLや単身赴任の会社員らが季節を問わず買い求める姿も目立っている。色付けは、日持ちがいいだけでなく、しょうゆやみりん、あめなどでとろみをつけたたれが食欲を増進させる。夏に好んで食べる年配者が多かったが、近年、若い女性らの需要も高まっているという。
ここ十年で色付けの売り上げが一割ほど伸びたというのは、焼き魚専門店「のざき」(金沢市)。お盆で集まった親族で食べるというイメージだった色付けだが、働く若い女性が夕食のおかずに買い求めるケースが増えている。特に夏場は、暑さのせいで「調理のときに火のそばに近寄りたくない」という人も多い。観光客が十数本をまとめ買いし、発送を依頼する場合もあるという。(後略)