金沢市立ふるさと偉人館「鈴木大拙」
●個人的にはちょっと頭の痛くなる「哲学」の分野なのですが、受験勉強で暗記させられた文人・哲学者のなかに、鈴木大拙(すずき だいせつ)と西田幾太郎(にしだ きたろう)の名前がありました。鈴木大拙は「禅の研究」、西田幾太郎は「西田哲学」、ともに仏教や禅、哲学に関する大家という記憶しかありませんが、このお二人は金沢と金沢の隣町ともいえるかほく市(昔の石川県河北郡)の出身です。
●「哲学」は人間の生き方や行動の根本にある考え方である、としか理解できない私としては、大学の教養課程で2年間も学ぶことになった(1年で合格点がもらえなかった)ほど、苦手で未知なる世界です。知っていることといえば、お二人とも日本の思想史・哲学史・文学史の中で大きな存在感のある学者である、という程度。お恥ずかしい。
●仏教も哲学も、本来は世の中を生きるため(人生)の根本原理を研究・追求する世界で、人間にとって非常に大切なものであるはずなのですが…正直いって、ダメですね。人間はどこからきて、どこへ行くのか、なんて考えるだけで時間が…
●ただ、昨今の殺伐とした事件や凶悪な犯罪のニュースを見聞きすると、やはりこのような物事の真理や生命の尊さを学ぶ機会の必要性も感じてしまいます。ただ、それをまともに教えられる人がはたしているかというと…それも難しい感じがしてきました。学者、教師、法律家、警察官、大人、家族、友だち…いったい誰を信じていいかわからなくなるときがありますので…
●でもやはり、「いかに生きるか」は他人事ではなく、自分自信の問題でした。たとえ哲学の真理に到達は出来ずとも、その周辺事情をうかがい知ることも悪くはない…とお思いの方には、大拙展はいい機会です。
大拙の業績、魅力一堂に 鎌倉で没後40年記念巡回展
(北國新聞社 2006年6月7日)世界に禅や東洋の心を広めた金沢市出身の仏教学者・鈴木大拙の「没後四十年記念展」のオープニングセレモニーと内覧会が七日、鎌倉市の鎌倉国宝館で行われた。鎌倉、金沢、京都の巡回展となり、出席者は、ゆかりの地で大拙の業績や人となりを伝える展覧会の成功を期した。金沢では八月三日から九月三十日まで「金沢と大拙」(北國新聞社後援)と題し、金沢市ふるさと偉人館で開かれる。(後略)
鈴木大拙(すずき だいせつ、本名:貞太郎〔ていたろう〕):明治3年(1870)-昭和41年(1966) 石川県金沢市本多町に、旧金沢藩藩医の四男として生まれる。1959年日本学士院会員、文化勲章、仏教学者(文学博士)。
(Wikipedia)
西田幾太郎(にしだ きたろう):明治3年(1870)-昭和20年(1945)石川県かほく市出身、日本を代表する哲学者、京都大学教授。京都学派の創始者で、その哲学は「西田哲学」と呼ばれている。
(Wikipedia)
●金沢出身の学者は他にもたくさんおられます。金沢という街は伝統的に、文学・哲学・仏教を学ぶ環境に恵まれているということでしょうか。私のような例外人間も多いですが。
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