●1985年(昭和60年)以来、犀川の「サケ」の増殖に力を入れてきた金沢漁協では、その事業にひと区切りがついたということで、来年から「サクラマス」の増殖に切り替えるそうです。
十分増えたサケ、サクラマスに移行 金沢漁協、犀川の増殖事業 今年度で
(北國新聞 2006年10月24日)
金沢市の犀川で二十一年間行われてきたサケの増殖事業が今年度で打ち切られる。同市から委託を受け、事業に取り組んできた金沢漁協は、水質の改善とともに順調に増えているサケは自然増殖に任せ、今後は、釣り人から人気が高く、五年前から稚魚を放流しているサクラマスの増殖に力を入れたいとしている。(後略)
●サケの養殖は、毎年12月に20万粒の受精卵を犀川に入れ、稚魚になるまで育てあげ、翌年3月放流するというやり方が行われてきました。大人になったサケは、放流から約4年後に犀川に戻ってきますが、近年は水質改善の成果もあってその数が着実に増加、安定してきたことで、方針転換することになったとか。
●で、次に選ばれたのが「サクラマス」。
サクラマスとは、河川の上流に棲んでいるヤマメが海に下り、回遊した後、産卵のため再び上流へ遡上してくる魚です。大きさは50〜70cm、体重は2kg〜3kg。
サクラマスとは - はてなダイアリー
サクラマス - Wikipedia
●もともとサケとマスはおなじ仲間だそうで、淡水生活をしているサケ科の魚をマスというのだそうで。
●ちょっと間違えそうなのが、5月に遡上してくるサツキマス。こちらはアマゴの一種だそうで、サクラマスよりも貴重な種類のようです。
●サケもヤマメもサクラマスもアマゴもサツキマスも、みんなきれいな水が流れるところでしか生きておれない箱入り娘のような魚です。ということは、犀川がそれだけきれいな川であるという証になる、ということで、金沢の街おこしのシンボルにもなります。
●金沢漁協では、2001年(平成13年)から、毎年4月にサクラマスの稚魚1万匹を犀川に放流してきたそうですが、今後はさらに力を入れるそうです。こちらも新しい金沢の名物になってくれるよう、応援したいですね。
●「せっかく育てた魚を食べるのは残酷じゃないの」という人がいますが、元々釣って食べるために育てているわけですから、これは自然の摂理にかなっています。環境の変化を考えずにむちゃくちゃやるのは絶対にまずいですが、きちんと管理しながら、育てて食べる、という、日本古来の循環型生活の食物連鎖にかなったやり方ですから、大いに振興してもらいましょう。