暑さ一番 涼求め 小松34.7度、金沢34.5度 木倉町で見まき
(北國新聞 8月1日)
一日の石川県内は太平洋高気圧に覆われて朝から気温が上昇し、小松では午後一時十分にこの夏一番の三五・六度を記録したのをはじめ、金沢でも同一時前に三五・〇度まで上がり、県内初の「猛暑日」となった。照りつける日差しの下、県飲食業生活衛生同業組合の第四回飲食水まき作戦2007が始まり、市民の涼感を誘った。(後略)
●全国の商店街や子ども会などで広がっているようですね。先日、ニュースを見ていたら、打ち水で下がる温度は「約2℃」ということでした。
●32℃が30℃になっても実際の暑さはそんなに変わりませんが、道路から上昇する蒸気が人の熱を吸い取っていってくれる分、体感的には涼しく感じます。
●打ち水で温暖化に対抗できるとは思えませんが、打ち水は、日本人が忘れてしまった自然との一体感のあるライフスタイルを、少しだけ取り戻してくれるような気がします。
●打ち水で思い出すのは、子ども時代に母親から言われて我が家でも自宅前でやっていたこと(当時は打ち水をしている家が多かった)と、もう一つ、加山雄三の映画「若大将シリーズ」のなかのワンシーンです。
若大将シリーズ
●主人公の加山雄三さんは、明治時代から続く老舗のすき焼き屋「田能久」の息子です。このお店や町内の雰囲気が、私の記憶では、典型的な東京の下町のイメージでした。
●実際はどんな設定だったのかは知りませんが、私の想像の中では、下町でしたね。その加山の祖母役の飯田蝶子さんが、いつもお店の前で打ち水をしていました。
●何気ない日常の風景ですが、そのワンシーンが、人情味にあふれていて、なんか、よかったんです。あれは昭和30〜40年代の下町の光景でした。(そういえば「三丁目の夕日」続編の予告が始まってます)
●昭和30年代半ば〜 というと、高度成長期の真っ只中。日本中ががむしゃらに働いていた時代のはずですが、こうやって映画などで振り返ると、意外にも登場人物がみんなのんびりしていて、ゆとりが感じられます。
●しかし、豊かな時代になったはずの現在、周囲を見渡すと、そんなゆとりがまったく感じられないのはどうしてなんでしょう。不思議です。
●「打ち水」は、都会に住む現代人が大地をいたわることのできる唯一の瞬間です。「打ち水」のなかに、ほんとうの豊かさがあったように感じられてなりません。
●地球温暖化防止運動も、利権や売名行為、個人的な利益追求からではなく、一人ひとりが今自分や家族が生きているということに素直に感謝する気持ちから行えば、きっと大きな成果が現れると思います。
●そんな「打ち水」の習慣が、もっともっと広がることを期待したいです。
打ち水