8月にもご紹介しました“曳きビル”の話です。
●でも、ほんとにすごいですね、こんなことが出来るなんて。
●素人の目には、合掌造りなどの木造家屋なんかだと比較的簡単そうに思えますが、あんなに硬いコンクリートの塊を引っ張って移動さすなんてちょっと信じられませんよね。
●もちろん、ピラミッドやギリシャの神殿よりは軽いのかも知れませんが、予想外の経年劣化などで、引っ張っているうちに崩れてしまうなんてことはないのかしらん(いらぬ心配)。
“歩幅”40センチ ノッシノッシ 金沢・近江町再開発 北國銀支店の曳き家 公開
(中日新聞 10月10日)
金沢市の近江町市場一帯で進められている再開発ビル建設事業で、移設してビルに組み込まれる北國銀行武蔵ケ辻支店の曳(ひ)き家作業が九日、関係者に公開された。建築関係者や学生たちが、建物が油圧ジャッキでゆっくり動かされる様子を見学した。(後略)
●8日から始まった工事ですが、推定2,200トンの建物を、1回に約40センチ、1日に6〜7メートルずつ、5日後の13日には斜め後方の東側へ約20メートル移動する予定だとか。
●北國銀行の前身、加能合同銀行本店として1932(昭和7)年に建てられた建物は、地上3階、地下1階で、面積は約1,230平方メートル。北國銀行が創立した時に、そのまま本店として使われることになったそうです。
●アーチ状の窓やれんが風タイルの外観は大正時代〜戦前の雰囲気を色濃く漂わせており、見るからに歴史的・文化的価値が高そう。
●こんな文化財を本店にしている銀行は、もうそのことだけで預金がどどっと集まること間違いなし、なんて下品なことは言わないように。
●しかし、さらに驚いたのは、上の記事の写真では細部まで見えませんが、そのキャプションに「コロを使いレールの上を移動する北國銀行武蔵ケ辻支店を見学する人たち」と書いてあることです。
●コロとかレールとか…。2,200トンの重さを一番下で支えているのが、昔ながらの道具なんですね。まさか木のコロではないと思いますが、古代エジプト・ギリシャ人並みの人類の知恵に、二度びっくり!
※近江町市場の各店は工事中もギリギリまで営業を続けるそうです。今のところまだ普通に買い物ができます。
※24時間現場を映しているライブカメラ
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